頂いた質問 「井川さんの様に、欲求の低減は、先ずおまじないの適格な実践が大事になってくるのでしょうか?! 疑似をして欲求が高まっても、おまじないをすれば落ち着くのですか?! 訓練で、外に出た瞬間、欲求は高まらないものなのでしょうか?! 」
回答
欲求の低減について・・・
1ステージ おまじない
2ステージ 擬似
3ステージ 想像
どれも重要だと思います。
特に何が・・・と言われると、
擬似と想像の作業で、自分の身体と精神の状態を観察して、観察票に記録していきます。
この自分を観察することが、すごく大切だと思いました。
自分は、習慣として「なんとなくやってしまう」ということが多かったのです。
だから欲求を強く感じてやるというよりは、自然とやってしまうことの方が多かったのです。
できない時には、すごくやりたいと渇望してやっていたと思います。
普通に呼吸ができる環境では普通に呼吸をして、
水中などで息が苦しい時だけ、呼吸をしたいって思うような・・・
商品を持って外へ出るまで、一連の動作となっていて、
途中で何かを考えたり決断したりすることが、ほとんどできていなかったのです。
擬似や相応をしながらら、店内にいるシーンで自分の状態がどうなのか、ということを細かく観察することを繰り返しているうちに、店内での行動と行動の間に、思考を挟めるようになっていったと思います。
治療前 第1信号系で動いていた。第2信号系(考えたり)は機能不全のような状態。
(あれは必要かどうかとか、金額が高いとかも考えられず、Gメンに見られているかどうかも御構い無し、なくらい酷かったです)
治療途中から 第二信号系が機能し始め、考えたらり判断や決断したりできるようになった。
(あれは盗みやすいとか、ああいう風に置いてあると、危険だとか、そういうことも考えられるようになりました。盗みたいという欲求ではありませんが・・・)
考えながら買い物できるようになったので、必要かどうかとか、あの頃だったら盗んでたなぁとか、今盗んだら大変なことになるとか、そういうことを考えながら動けるようになりました。
訓練とは、入院中に行う試験外出のことでしょうか。
自分は、退院するのが怖かったです。入院中は盗めない環境だから盗んでいないだけであって、盗める環境になったらまた盗んでしまうのではないか、と。
そんな状態で、カリキュラムを全うして3ヶ月間という期間を過ごしたからといって、退院させられるのは怖かったのです。
だから、平井医師に相談・お願いして、退院直前に試験外出させてもらいました。
そこで欲求が出るようなら、入院を延長させて欲しい、と事前にお願いしてました。
試験外出を5日くらいやらせてもらいました。
初日は、店に入って、楽しい気分になりました。
(もともと、店で商品を見たり、客を観察したりするだけで楽しいと思っている人なので。。。)
そういうウキウキは感じましたが、万引きをしたいという欲求はありませんでした。
商品を楽しく見て回って、何も取らずに病院へ戻ることができて、そのことがまたすごく嬉しかったです。
初めは、念のために、看護師が近く(1、2メートルとか棚の陰)にいてもらって、危ない場合には止めてもらうことになっていました。
次の日は、店内の出入り口で待ってもらうようにして、店内は自分一人で歩き回りました。
最後の二日くらいは、病院から出発して何店舗か回って病院へ戻るまで、外出全てを一人で行いました。
外に出られる開放感や、店内での楽しさはありましたが、
万引きしようとかしたいという欲求はありませんでした。
そのことにすごく驚き、嬉しくなりました。