どういう時に盗んでいたか
止めることが出来なかった。
止めたいと思っても、止めなければならないと分かっていても、やり続けていた。
では、どういう時にやっていたのだろうか。
イライラした時、ストレスがある時、などというのをよく聞くが、
自分はそういう感じではなかった。
(高校3年で万引きをし始めた当初の数回は、ストレスがある時などにしていたが)
日常の習慣としてやるようになっていた。
学生時代で言えば、朝の通学の途中、休み時間、下校時にやっていた。休日で外に出た時にもやっていた。
外出のついでにというだけでなく、普通に買い物を行くような場合にも、ほとんど支払いをしないで万引きするようになった。
社会人になって以降で言えば、やはり通勤の往復、休憩時、外回りの時にやっていた。
休日に出かける時にも同様にやっていたし、
買い物の時にも、ほとんど支払いはせずに万引きしていた。
買う・払うという方が珍しくなってしまっていた。
必要なモノは万引きしていた。
必要なものがあれば、普通の人が買い物をするのと同じような感覚で、店に入り万引きしていた。
不要でも、盗めるものがあれば盗んでいた
さらに、普通の人は、厳選して検討して、必要なものだけを買うのだと思うが、厳選も検討もせずに、不要なものであっても万引きするようになっていた。
なので、普通の人が買い物するのと同じように、よりももっと万引きしていた。
食料、本、衣類、文房具、消耗品・・・
朝起きたらトイレに行く、洗面をする。のと同じような感覚。
日常生活を送る環境内にあるもの、そして自身の日常動作、
あらゆるモノ・コトと万引きが関連づけられてしまって、あらゆるものが発動スイッチのようになっていた。
だから、
ストレスがあろうとなかろうと万引きしていた。
嬉しい時でも、楽しい時でも、開放感がある時でも万引きしていた。
極端な話(だが、過言ではない)、朝起きたらやる方向に動く。起きていて活動していればやる方向に動くようになっていた。
一定時間万引きをしないと、万引きへの渇望が出て(万引きをするために外出して、何かを万引きしないいられないような感覚)万引きしていた。
空腹で何か食べたくなる、喉が乾いて水分を欲すのと同じような感覚になっていた。
外に出たついでに万引きするだけでなく、万引きをするためだけに外に出かけたりもしていた。