万引きのスイッチ、回路

万引きのスイッチ(その他の問題行動も含む)

 

人によって色々あると思う。
身体的な変化、精神的な変化がスイッチになることが多いとは思う。

 

だが、自分はどうもそれには当てはまらないような感じがしていた。
習慣的に、漫然と、特に何も考えずに(考えられずに)やっていたように思う。

身体や精神が何かの刺激を受けて、脳の神経回路を通らずに、反射的に行動するという感じだった気がする。

 

 

ただ、この刺激を受けた、ということも、自分はあまり自覚がなかった。
特に大きなことではなくても、万引きにつながる刺激となりえていたような感じだからである。

日常生活で五感のいずれかで感じる何かの刺激の多くが、万引きと紐づけできていて反射的な行動になっていたような気がする。

 

 

また、自分は10歳前後の頃から、自分の感情を押し殺して生きてきたようなところがある。
感情を出してはいけなかったというのもあるし、

辛いことや苦しいことを一つ一つ味わっていたらそれに耐えられそうにないから、

蓋をしていたようなところもある。

まぁそんなことを長年つづけてきたせいか、自分でも自分の感情がどうなっているのか、よく把握できなくなっていた。

今は苦しいのか?辛いのか?
その時その時、ちゃんと感じてそれに対抗したりしないまま、

いろんなものを体の中にため込んでいたと思う。

 

 

そして、長年かけて不満や不平などを蓄積していったせいで、

それらは体のなかにいつでも慢性的にある感じになった。

その感情と万引きが長年かけて強固に結びついていったような気がする。

少しその回路に触れただけて発動するような敏感さもできていたと思う。

 

 

 

直情的に万引きをする、という感じではなかったが、
精神的に、常に淋しさや孤独感、不満や不平、飢餓感はあったと思う。

 

 

この回路につながる条件は生活の中に多数あった。

長年かけて、生活のあらゆるものを十分条件にしてしまっていた。

生活のなかの習慣的なものなので、知らず知らず自覚がないままに、

という感じが多かったと思う。

 

 

補足
反射的に万引き行動をすると書いていたが、
最近とある医師からは、
井川さんは、反射的に今の人格から解離して、解離した状態で万引きをしている
と診断された。

自分なりの条件が揃うと解離して、万引きしてしまうらしい。

自分でもそういう感じがしている。

 

 


その条件に、自分の精神的なモノや感情がすごく関係していると思う。

治療を初めてから取り組んできたことがある。
  自分の心や体の変化をよく観察する

 

とにかくよく分析して、その結果を受け止めるのである。
分析しないまま、さらーっと万引き行動にまでつなげることが出来ない環境で(閉鎖病棟で)、ひたすらひたすら分析した。
一日に10時間以上とかを、数週間に渡って繰り返していた。

 

 

普通の生活ができるようになって、
治療を続けているうちに変わってきたと思うことがいくつかある。
何かの感情と、何かの行動の紐づけが解消された。
感情は感情。
辛い、辛い、苦しい、苦しい。以上! みたいになった。

 

そして、次第に、辛いとか苦しいとかいうことをなるべく回避するようになった。
自分にとって楽でいられる状態を作るように努めるようになった。

 


なので、
昔より嫌なことや苦しい頃は、しないようにしている。

そして、今でも嫌なことや苦しいことがあるが、

それはそれとして、何かの行動とは結びつけないで、ただそれを感じるだけにしている。

 

 

他方で、好きなこと(例えば運動とか、空や樹木、緑や花、神社など)との接触を増やした。
条件反射制御法のおまじない(制御刺激)を空や樹木を見ながらやることで、

空や樹木が同じないと結びついてきたと思う。

 

 

何かモヤモヤしたりつらいなぁと思いながら、

散歩したり走ったりしている時に
視界に空や樹木が見えてくると、何となくそっちに気が移って、

そっちに夢中になって、モヤモヤが軽くなったりそのことを考えていたことを忘れたりする。(ちょっとバカみたいに聞こえるかもしれないが)

 

 

万引きのスイッチを押さないようにしたり、
過去にあった回路を断絶するようなことが、
すこし出来ているのかなぁと思っている。

そんな感じで、最近はすこし平穏に生活が出来ている気がする。

 

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