万引きしないためにしていることって・・・

これをよく考えるのだが、結構難しい。

「万引きをしないためにしていること」とりあえずここでは「防止策」と書く。

 

どうして難しいと思うのかというと

「防止策をしていることで万引きをやめられた」

なのか

「万引きをしないから防止策が出来ているのか」

がわからないのである。

 

 

店に入らなければ万引きをしない。

それは当たり前なのだが、そんなことをやろうとしても、数日とか数週間しか持たなかった。

 

防止策って結構当たり前のことで、そんなことは頭では分かっている。

だが、その当たり前のことが出来ていないで万引きをしていたのである。

病的窃盗の状態が酷く悪いときには、その防止策をすることがそもそも出来ていなかったのである。

それが出来れば苦労は無い、くらいに今でも思う。

だから、状態が悪いときにその防止策だけを「しようとする」だけでは、万引きをやめることは出来なかった。防止策を実行することすらできなかったのである。

 

 

防止策って・・・

たとえば

・不要な場合には店に入らない

・ポケットのある服を着て店へ行かない

・店へ行くときは誰かと同行してもらう

・バッグを持って行かない

・目立つ格好をする

・店員に声を掛けたりする

・指輪をするとか手首にお守りをつけておくとか(万引きをする(商品を手に取る)ときに、自分の視界に目印が飛び込むようにする)

・帰宅時に荷物チェックを家族にしてもらう

 

また、状態が悪いときには、これらの防止策ををやったとしても、どうにかして抜け道を探して作り出して、何としてでも万引きをしていた。

 

自分の場合には、条件反射制御法の治療をすることで、状態を少し安定させることが出来た。

その治療を継続して状態を悪化させたり不安定にならないように維持をしながら、さらに、自分がより安全になれるために幾重にも防波堤を作るような感じで防止策を考えて実行している。

 

そして、そのうち、その防止策をあまり意識せずに出来るようになってきている。

一番大きなことといえば、店に行く頻度が減ったと思う。

以前は、コンビニとかドラッグストアが目に入るたびに、何を考えるわけでもなく(何が欲しいとか、何かを盗ろうとか考えるわけでもなく)ただふらふらーっとぼーっと足や体が店へ向かって入っていき、そして少し気になった目を引いたものを持って(盗って)そのまま店を出ていた。

 

最近は、店が視界に入っても、店の前を通っても、用が無いときには店に入らない。

入ろうとしていない自分に、最近気が付いた。

 

何故なのか・・・

条件反射制御法の治療で入院するようになってから、「店は危険な場所」みたいな感覚を抱くようになった。

治療をすすめているうちに、

自分にとっては、万引きをするのが楽しくてやっていたわけではないし、やっていること自体が辛いし、やっている最中の心も体も辛い状態だったということに気が付いた。

 

そういう「自分が辛くなる場所」は少し大げさな書き方をすると「生命の危機」みたいなものを感じる場所なのだと思う。

用が無いのにわざわざ危険で苦しい思いをする場所へ行くことはしない・・・という感じになった。

 

用がある時には、その用件(買い物をするとか、コピーをするとか、何かものを確認するとか・・・)を果たすことだけを考えて実行する。

用が無いときには、むしろ少し避けて敬遠して素通りする。

そんな感じになったのかなぁと最近気が付いた。

 

 

脳神経や条件反射的な問題、認知の歪みの問題、・・・色々あって、

色々が複雑に強固に結びついて、酷い状態になっていたのだと今でも思う。

 

今後もし治療をしなければ、

また酷い状態に戻って万引きをするようになるだろうという危機感を持っている。

そうなった時に、店に行かない、などの防止策を実行しようとしても、実行できないだろうと思う。

そうならないために、自分は条件反射制御法の治療を続けたいと思っている。

 

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