条件反射制御法の理論はすごく納得感があった

自分は20年以上(途中、刑事施設に入っている年月も含めて)、ほぼ毎日万引きをしていた。

 

万引きをし始めてしばらくしてから、

やめたい、やめなければならない

と思ってやめようとしたのだが、やめられなかった。

 

身勝手だ、意思が弱い、反省が足りない、などと言われることが多かった。

 

だが、自分でいうのもなんだが、

反省も後悔も、相当にしてきた。3回も(合計4刑)も刑務所で懲役刑を服役して、もうこんな服役もしたくないとも思った。

それなのに、万引きをしてしまうのである。

 

特別に明確な嫌なことがあったとか、イライラを感じるとか、そういうことから万引きをするのならまだわかるが、そうではなかった。

生活と切り離せないくらい、日常の動作の一つとして、特別な意識をしなくても万引きをしてしまうようになっていた。

 

反省不足・意思の弱さ、そういうことだけでは、自分自身で納得ができなかった

そして、やる度に、強い自己嫌悪に苛まれていた。

 

なぜやってしまうのか。

なぜやめられないのか。

 

やるとかやらないとか以前に、このことすら分からなかったのである。

 

下総精神医療センターに入院して、条件反射制御法の治療を開始した。

治療は、その理論を書物で学ぶことから始まる。

 

その理論にすごく衝撃を受けた。

やめたいのにやめられない、このメカニズムの説明が、自分にとってすごく納得感があるものだった。

そうだったのか。それでやめられなかったのか。それでやってしまっていたのか。

 

そして、それをどうやったらやめられるようになるのか、何をすればいいのか、それについても書かれていた。

どうすればやめられるのか、については、

本当にそれでやめられるのだろうか。という不安は多少あった。

しかし、自分は他の術を知らない。この方法をやって見るしかなかった。

だから、とにかくその通りにやった。そうしたら、本当に効果があった。。。。

 

どうすればやめられるのか、についても今ではすごく納得感が持てる。

 

この治療に出会えてよかったと思う。

治療(作業)は、今後も続けて行く必要がある。(怠るとまた悪い状態に戻って万引きしてしまうかもしれないからである)

 

きちんと続けて、万引きをしないで外で生きていきたい。

 

条件反射制御法については以下のリンクを参照ください。

ヒトの行動原理と条件反射制御法

独立行政法人国立病院機構 下総精神医療センター
薬物依存治療部長 平井 愼二

https://shimofusa.hosp.go.jp/training/riron/hitonokoudougenri_joukenhanshaseigyohou.html

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