KAに通ってよかったと思うこと
自分はKAの存在を知ったのは、逮捕されてもまだ起訴猶予の処分で済んでいたころで、
20年弱くらい前だと思う。
そのころ、KAへは一度も行かなかった。
行かなかった理由。(今にして思えば、その考えはオカシイと思っているが、当時はそう思っていた、ということも含めて
・犯罪者の集まりに行って、犯罪者達と関わりたくない。
・窃盗する言い訳とかをして、傷の舐め合いのようなことになるのがイヤ。
・自分が、窃盗症とか病的窃盗とか、そういう精神疾患だということを認めらられない。
・他の犯罪者達と自分は違う。一緒にされたくない。一緒になりたくない。
・そういうところに通うより、仕事が優先。
などが主な理由
一昨年、下総製診療センターに入院して条件反射制御法の治療をして、
退院してからは、再犯防止などに対する自分の意識が高まって、
KAにも行ってみようと思って
初めて行ってから、通い続けるようになっている。
通っていて良かったと思うこと。
・同種の問題を抱えた人が現実にいて、同種の悩みを抱えながら、懸命に生きていることが分かる。
・自分の頭のなかのことを、言葉で外に出せる。
・生身の人間が聞いてくれていることが分かり、ノートに書くのとは少し値がった感覚がある。
・他人の話から、考えるヒントや刺激をもらえたり、新しい発見があったりする。
・自分の足を使って体を動かして会場へ通うことで、再犯防止に向けて取り組んでいる実感を持ちやすい。
などなどがある。
そして、最近感じるようになったことがもう一つ。
他の参加者では、3年、5年、8年、10年・・・それ以上と、長年窃盗をしないで過ごせている人もいるようである。
・そうなることが出来るという希望が持てたり、そうなることを目標とするような前向きな気持ちになれる。
・長年窃盗をしていなくても、再犯に対してすごく危機意識を持っている人の姿を見ると、自分も治療などを優先する意識が強くなる。
みたいなことがある。
そして、以下のような効果があり、それが再犯しない取り組みへの意識付けになる。
・数か月とか、1,2年だけやっていない時期があっても油断はできないと気が引き締まる。
・自分は病気である。病気の当事者である。その自分が危ういということを何度も再確認して、治療が優先、自分のことが優先だという意識を何度も確かめられる。
・窃盗以外の問題行動、根底にある問題への意識も強くなる。
・行動だけでなく、考え方などについても見直したりするきっかけになる。
自分は状態がかなり酷かったと思う。
条件反射制御法の考え方でいうと、(万引きすることへの)条件付けや本能の力が強すぎて、理性では制御できなかった。
先に条件反射制御法の治療をして、反射連射や本能の力を抑制したのが良かったのだろうと思っている。
条件反射制御法を先にやって、それから維持ステージの治療と合わせて、このようなグループミーティングをするのは良いと思っている。