刑務所で火傷 調査になりたくないから処置もせず放置
刑務所ではいろんな作業がある。
大きく重い荷物を運ぶ
熱いもの、刃物、を使う
高所で作業する
機械・工具を使う
それだけでなく、紙を折るだけでも、紙で指を切る危険はある。
一応、就業時などに作業指導(教育?)といって安全作業に関する指導というものがある。
しかし、これは列挙された安全作業の心得を各自が読むだけである。
そして、読んだことを確認した指印を取られる。
これによって
あとで怪我をした場合に、
怪我をした人の責任になる(調査・懲罰になる)
のである。
防具などをつけさせてもらえないのだから・・・注意していても怪我をすることはある。
絆創膏を貼る程度のちょっとした切り傷でも、調査になることがある。
(工場のオヤジとの関係次第)
自分が炊場で作業している時、顔に火傷を負ったことがある。
長袖長ズボン、帽子にマスクをつけているが、
手(手首から先)、目や額などはむき出しになっている。それが標準だった。
大きな釜で炊飯する時、釜の中を「櫂(かい)」(ボートのオールみたいなもの)でかき混ぜながら炊くのだが、
炊き始めはサラサラしているが、次第に水分を含んだ米と麦が沼地のようになる。
ずっと熱しながらやるので、マグマの溶岩のように飛び跳ねてくるものがある。
とある日、その跳ねた熱い物体が、自分の顔(右の眉毛の上辺り)に着いた。
朝食用の炊飯中なので、まだ朝の4時台。工場担当は出勤していない。
若い交代の職員が一人ついているだけ。
この人は、特にお堅い人で、ちょっとした怪我でも調査に上げることで有名だった。
炊飯の途中でその場を離れるわけにもいかない(早朝作業なので自分の代役はいない)。
とりあえず炊飯をやりきった。
でも、先述のような職員なので、火傷を申し出ることも出来ない。
だから、水で冷やすことも出来ない。(すでにもう數十分経過してるから遅いが・・・)
結局、こっそり水で冷やすのは、
朝食後に顔を洗うふりをしながら。。。
7時20分頃。火傷してから3時間くらいあと。
結局、結構ひどく火傷の跡が残った。
はじめの数日は赤かったが、その後は黒くなった。
かなり目立つので、さすがに職員にも気がつかれた。
若い職員(運搬立会い、運動監視、など)に対しては、それでも、とぼけていた。
調査になるから。
寝ている間に引っ掻いたのかな。とかテキトーに。
火傷から5日くらい経ってから、工場担当に火傷したことを伝えた。
工場担当は調査にしなかった。(にぎってくれた)
工場担当がにぎったものを、交代の職員はなかなか調査には出来ない。
だから、それ以降は火傷について聞かれたら、
工場担当にちゃんと話してある、と堂々と言った。
その火傷の跡、今はないが・・・
半年以上は消えなかった。
何かの治療や処置をしてもらった訳ではなく。
ただ放置して自然治癒に任せていた。
消えてよかった。
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