身元引受人の条件など
(身元引受人は内妻でも可能か?
という質問があったので、それに答えた内容)
身元引き受け人は、内妻でも可能です。
(私自身は違いますが、そういう事例をたくさん見てきました)
親、配偶者、兄弟、子供、雇い主、彼女(あって間もない)でも可能。
これでもOKなのか、というところでは、
ただの友人、逮捕前に住んでいたマンションの大家さん、などでOKとなっている人を見てきました。
ですが、親や配偶者ならいいのか、というとそういうわけでもありません。
引受人として適切か、引受人としての役割を果たせるかなどを調査されて決定されます。
身元引き受け人の決まる流れは大体以下のような感じです。
1 受刑者が刑務所へ移送
2 考査・新入訓練の期間に、仮釈放を希望するか確認される。
希望する場合、身元引き受け人を誰にするかを決めて、申請する。
いない場合には、保護会を申し込む。
この時に仮釈放を望まない、としても、後から望むに変更できる。
その逆も可能で後から満期希望にもできる。
3 保護観察所が、身元引き受け人の調査(適切かどうか)を開始する。
4 2から1ヶ月か数ヶ月以内に、身元引き受け人(として申請した人)のところへ。身元引き受け人を引き受ける意思の有無の確認の手紙が来るので、回答する。
5 引き受けた場合は、保護観察所は受刑者に対する保護司を決める。
6 保護司が、引き受け人の自宅訪問し、環境調査をする。
7 調査の結果OKなら、引受人が決定となる。
NGなら、別の人を探して再申請する。
8 仮釈放になるまで、半年に1回程度、保護司が引き受け人の自宅を訪問し面接する。
6の環境調査で、引受人として適切か否かを保護司が調査して、保護観察所へ報告し、保護観察所が判断します。
複数の引受人の申請をして、並行調整することも可能です。
複数の引受人で許可が出た場合には、後で1つに絞ることになります。
大枠で重要なことは以下のようなことだと思います。
A 引受人が快諾している。
B 出所後、生活を支える意思がある、資力もある。
C 住む場所を用意できる。
D 不良関係ではない
A
審査結果がNGになったり、保留になって数ヶ月後に再調査となることがあります。(そういう話を聞きます)
引受人が、引き受ける意思はあるのだが、「自分がちゃんと監督できるか、自信がない」と行ったりすると、保護司も保護観察所も、「大丈夫かなぁ」と不安になってNGにしたり保留にしたりされることもあるようです。
親でも内妻でも、態度や意思がはっきりしていないと、保留になってしまって引受人が決定しないことになります。
引き受けようかどうか、引き受けたい気持ちはあるが、迷っている。どうしようか。。。
私といたら、彼(受刑者)にとって良いのかわからない。自信がない。
私といたら、彼はまた犯罪をしてしまうようになるかもしれない。
彼が困っているとき、私で支えになれるかわからない。
彼が再犯しないように監督できるかわからない。
彼が再犯しようとしていたら、彼を止められるかわからない。
B
受刑者が出所後にすぐに仕事ができたり収入を得られれば良いのですが、なかなかそう上手くはいかない場合があります。その時に、社会復帰するまでの期間、受刑者(元)の支援をできるかどうか、ということも見られます。ご飯を食べさせる、寝泊りをさせる、病気になったら治療費を出せるとか、そういうレベルのことができないと、NGになることもあると思います。
そんなに裕福である必要はありませんが、自分1人(彼抜きの現状)でももう生活が成り立たないとかだと、難しいかもしれません。
柄受けの人が要介護状態だとか。病気で本人の生活も大変だとか。
C
引受人がすごく狭いワンルームなどに住んでいて、そこにさらに受刑者が住むのが不可能そうな場合には、NGとなります。
子供2人と4人で狭いワンルームとか。
引受人の住所とは別に用意できればそれでも問題ないと思います。ですが、その場合には近所であることが必要だと思います。
D
再犯につながるようなことを保護司や保護観察所に連想させるような引受人だと、NGとなります。暴力団関係者とか、前科者とか。
前科があっても今しっかりしていれば大丈夫だったというのも見たことがあります。(配偶者が前科があった場合)